2016/03/17

坂井咲子展 / 古器に倣う


このたびカホ・ギャラリーでは「坂井咲子展 / 古器に倣う」を開催いたします。


古染付は中国明朝末期の天啓時代(1621-1627)を中心にした10年ほどの間に、

景徳鎮民窯で焼かれた磁器の一種で、

官窯の律義で厳格で精緻な作風とは違い、

自由奔放で風雅であり、

その絵付けはおおらかで屈託がありません。

また、1610年代から1630年代頃までに有田で焼かれた染付磁器を初期伊万里と称し、

素焼きを行わない生掛け技法を用い、

成形の技術も粗雑で拙く、

絵付けの発色も安定していませんでしたが、

近年その素朴な美しさや抒情美が高く評価されています。

坂井咲子はそうした古染付や初期伊万里の作柄に憧れ、倣うことにより、

古器の持つエッセンスを現代に再現しようとしています。

自ら古器を求め、その雅品を座辺師友とする坂井咲子の呉須で描かれた絵付けは、

描線が自由で闊達、瀟洒で洒脱、繊細で大胆、発色も上品でとても美しいものです。


京都に生まれ、京都府立陶工技術専門校の図案科を卒業、

京焼の窯元にて絵付師として働いた後、

京都紫竹に自らの工房を構えて制作に励む坂井咲子は、

小児科医で染付の倣古の第一人者である加藤静允先生の知遇を得るとともに、

茶人・木村宗慎氏のアドバイスを受けるなど、

当代の目利きの人たちの薫陶を受けながら作陶を続けています。


今回の展覧会では、古染付や初期伊万里に倣った器を中心に新作を展示いたします。

この機会に是非ともご高覧ください。



【開催概要】

会期:2016年4月2日(土)-4月10日(日) 会期中無休

時間:12:00-18:00

会場:カホ・ギャラリー

作家在廊日:4月2日、3日、6日、9日、10日





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