2016/01/22

宮崎智晴展 / モメント・ドーロ



このたびカホ・ギャラリーでは、

「宮崎智晴展 / モメント・ドーロ」を開催いたします。

展覧会タイトルである「モメント・ドーロ」について宮崎智晴は次のように述べています。


モメント・ドーロとは

イタリア語で「黄金の時間」という意味で、

フレスコ画と呼ばれる絵画技法の中から生まれた言葉です。

フレスコ画とは漆喰を塗って乾燥する迄の間に

水彩絵の具(水で溶いた顔料)を染み込ませて描いていく技法の事です。

この技法で描かれた絵画は一説には千年の耐久性を持つとも言われています。

しかし漆喰が乾ききる前に描き上げなくてはならないという時間的制約と、

塗りたての漆喰は柔らかく非常に描きにくいという難点もあります。

それでも辛抱して描き続けていると、

壁が乾いて引き締まり非常に描きやすく筆ののびも良くなり、

モメント・ドーロすなわち「黄金の時間」と呼ばれるひとときが訪れるのです。

それはたった一二時間足らずのものですが、

その間に画家は非常な集中力をもって描き上げます。

というのもその時間帯が過ぎてしまうと漆喰が(硝子状の塗膜を張り出すので)

絵の具を吸収しなくなるからです。

私が制作上で求めている「物事」とは眼に見えぬ時間の密度、硬度です。

今回の絵はフレスコ画で描いた訳ではありませんが、

同じくテンペラと油彩を併用する古い技法を用いて各物語に時間の密度、

硬度を質感として表現しようと試みました。

表現者をフレスコ画の時間軸に例えて重ねるならば、

目の前を過ぎ行くあらゆる「事柄」何でも良いものを取り込み吸収する時期(インプット)と、

それら自分の体内に染み込んだ事や技術が「表現」として

「物」として急速に固まり排出される時期(アウトプット)があります。

私の中で生じた物語「事」と、

また絵画という「物」の双方に現れた私の中の「黄金の時間」をどうぞご覧下さい。



【開催概要】

名称:  宮崎智晴展 / モメント・ドーロ

会期: 2016年2月20日(土)-2月28日(日) 会期中無休

時間: 12:00-18:00

会場: カホ・ギャラリー





2016/01/09

美の交差 / アーキテクトとアート



【次回展覧会のお知らせ】

今回の展覧会では、

50年前にゼネコン設計部に勤務していた頃よりギャラリー巡りをされ

確かな眼で少しずつ蒐集されたアーキテクトの本多氏のコレクションの中から、

サム・フランシスのタブローや

ジャコメッティ、ルオー、シャガール、ベン・ニコルソンの版画を中心に、

芸術に関する蔵書も併せて展示致します。

この機会に是非ともご高覧ください。




展覧会名:美の交差 / アーキテクトとアート


会期:2016年1月10日(日)-1月17日(日) 会期中無休


時間:12:00-18:00